どうも今、我が国の多くの企業は第三創業期に入ったのではないか、と感じることが多くなりました。振り返ってみますと、第一創業期は戦後の復興を果たしてからバブルまで、第二創業期はそこから立ち直って今日まで、そして今、第三創業期に突入したのです。
その第三創業期、新しいビジネスモデルが不可欠になっているのが特徴です。新しいビジネスモデルを明確にして、強いビジネスを持つ企業のみが生き残れる、そんな時代になっている気がします。
周りを見ますと、ここ一年くらいの間に、世の中の不透明さが益々深刻になっているようです。金融工学でリスクを分散した筈なのに、その金融システムが破綻し、後始末に世界中が振り回されている現状は、何も金融機関に限ったことではありません。サブプライムに端を発して、金融派生商品に紛れ込んだ、まるで時限爆弾のような信用不安は、不信感の連鎖を呼び起こし、益々疑心暗鬼になって行くという悪循環の根源です。今思えば、金融派生商品に手を出して、本業とはかけ離れたところで利益を得ようとした多くの企業は、それが破綻すれば自らも破綻するという当り前の構造を疑うことはありませんでした。自らはコントロールできない事業に投資し、まさに、糸が切れた途端に大空を漂流する凧に乗ったのと同じ状態です。
でもよく見ると、この非常時とも言える中で、比較的大きな影響を受けずに堅調な経営をしている企業も数多くあり、そこには共通した強さがあります。その強さとは、経営環境が変化しても自らの経営軸は微動だにしない、言わばジャイロコンパス(羅針盤)のように、周りが変動しても一定の方向を指し続けるビジネスモデルを持つ企業です。ビジネスモデル、それがしっかりとしているかどうか、その強さが重要なのです。
糸が切れた凧のように、何処に飛んでいくのか分からないような風任せ経営ではなく、自らがコントロールする不動のビジネスモデルを持ち、新しい時代を迷うことなく進んで行く、それが、第三創業期に成功している企業のイメージです。
さて、我がシステム・インテグレーション(SI)は、1988年11月18日に設立、早いもので今年で20年が経ちました。創業は大学2年の年、1970年ですから、そこから数えると38年目になる勘定です。このSI、大学生で創業したのが第一創業、そして会社にしてからが第二創業、そう数えると、これからが第三創業期です。つじつま合わせではありません。SIも、多くの企業と同じように第三創業期を迎えたのです。
そう思うと、何だか若返った気がします。これからのSIのビジネスモデルを明確にし、いかに継続的な仕事をするか、そう考えるとヤル気が湧いてきます。これからの新しい時代を、新しいビジネスモデルで真っ直ぐに仕事をして行く。やりたいコト、やらなければいけないコト、走馬灯のように頭に浮かんでくるのです。第三創業期と考えただけで、勇気や希望のようなものが湧いてくる、こんな楽しい事はありません。
さあ、皆さん、これからは第三創業ですよ。そして、ずうっと楽しく働きましょう。
ところで、SIの第三創業期はいつまで続くのかですって? そうですねぇ、第一が18年でしょ、第二が20年、だから、第三も20年ということですかね。
その時は77歳ですが、次は第四創業期に行くのでしょうね。そして、その次も…。