良い会社には訳がある ◀️ Click

当たり前だが、会社を悪くしようと考える経営者や社員はいない。まあ、何か恨みがあって会社を潰してしまおうとたくらむ輩(やから)もいるかもしれないが、それはレアケース。もしもそのような者がいてそうなってしまったのなら、そうなっていなくてもいずれ潰れる会社だったということだ。
 

事業継承の条件 ◀️ Click

 昨今、事業承継に悩む中小企業の経営者が増えている。私も多くの経営者に相談されたことがある。中でも多いのが、息子あるいは娘が継ぎたがらないという悩みである。継ぎたがらない理由は「父親の背中を見ていて、あんな苦労はしたくない」「あのような立派な経営者にはなれない」という2つにほぼ集約される。情けない気…
 

マルカン食堂の奇跡 ◀️ Click

手県の花巻にマルカン百貨店というデパートがあった。十数年前だろうか、そのデパートの名物を食べに行っことがある。マルカンの名物とは、食堂のソフトクリームである。なぜ名物かというと、何しろ「でかい」のである。普通の量の3倍ではきかないぐらいに大きい。しかも、スプーンが付いてこない。どうするのかというと…
 

ほくろ毛は抜くな ◀️ Click

 開発にもほくろ毛がある。ほくろから生える、多くは産毛などとは比べ物にならないほど立派な毛だ。縁起がいいものなので「抜いてはいけない」ともいわれる。今回は、開発にもほくろのような部分があり、そこから生まれるモノやシステムはほくろ毛と同じで抜いたり切ったりしてはいけない、ということを話したい。ほくろの…
 

仕事は創るもの ◀️ Click

こちらからのアポイントにいつでも応じてくれる人がいる。いつもそうなので、不思議に思って尋ねてみた。「失礼ながら、毎日、出社されているのですか?」「いいえ、社員としての籍はありますが席はありません」何か笑い話のようなやりとりになってしまったが、要するに、正社員だが毎日出社しなくてもよく(時々出社して報…
 

ハズな仕事 ◀️ Click

相撲の取り口の一つに「ハズ押し」がある。ハズは、親指を立てて他の4本の指をそろえて伸ばした手の形のこと。このハズにした手を、相手の脇の下や胸、腹などにあてがって、すくい上げながら押し出す技をハズ押しという。このハズは「筈(矢筈)」から来ている。筈は弓の両端にある切り込みのことで、弓に弦(つる)をつが…
 

大樹から離れよう ◀️ Click

「寄らば大樹の陰」とはよく言ったものだ。大樹になりたいが自分はなれない。でも、せめて大樹の陰にいれば何とかなる……と、多くの人は考えたのである。確かに、大樹のような大きくて強そうな者(会社)の陰にいて強風や豪雨を避けるのも一つの戦略・選択肢ではある。だが、最初から大樹に世話になるのは何か寂しい。昔は…
 

右肩下がり ◀️ Click

会社の売り上げというのは、とにかく右肩上がりでなければいけないと、私たちは思っている。確かに、右肩上がりは会社が隆盛になっているように見えるしカッコいい。だが、それは、本当なのだろうか。というのは、私は右肩上がりでずっと伸び続けている会社を見たことがないのである。自動車で世界一になったあの会社にも売…
 

こころの化粧 ◀️ Click

「自分のポテンシャル(潜在能力)は見えない」と、人は言う。逆に、自分の能力を大げさに自慢するように言う人もいるが、そういう人ほど、言うほどのことはないように思う。では、多くの人はすごい潜在能力を持っているのに、なぜ自分では見えない、あるいは分からないのだろうか。そもそも見えないから潜在能力というのだ…
 

ビズ呑み ◀️ Click

いつかコラムで「三上」について書いた。三上とは「馬上(ばじょう)」「枕上(ちんじょう)」「厠上(しじょう)」から成る、アイデアが湧き出るときの原理・原則である。馬上とは馬にまたがりユラユラとしているとき(現代ならドライブか)、枕上とは枕の上でウトウトしているとき、そして厠上(厠はかわや、トイレのこと…
 

十次産業の時代 ◀️ Click

「六次産業で行こう」。そう書いたのは、2003年のコラムである。一次産業とは農業・林業・水産業で、二次産業とは鉱産物や農林水産物などを二次的に加工する工業や建設業、そして三次産業は商業・運輸通信業・サービス業など一次と二次産業以外の全ての産業を指す。この一次・二次・三次を足すと六次となる。つまり、一…
 

会社の生い立ち ◀️ Click

会社にも誕生日がある。自分の会社(事業体)がいつ生まれたか、なので、登記申請を行った日である設立日、あるいは、法人化する前に業務を行っている場合には、その仕事を始めた日である創業日が、会社の誕生日と言えよう。設立日は、法人として登記を行うときに書き込むので絶対に覚えている。というか、記録に残る。創業…

自考率 ◀️ Click

言われた通りにするだけではもったいない。と、私は思う。せっかくの開発が消化不良で終わってしまうことがあるかもしれないし、指示されたことの上に自分のアイデアを重ねれば、もっと良い結果になることもあるではないか。肝心なのは、言われるだけではなく、自分で考える比率を上げることだ。私はそれを「自考率」と呼び…
 

開発顔 ◀️ Click

「開発顔(かいはつがん)」という、開発をするときに意識しなくてはいけない顔の在り方があると、私は思う。特別にニヤニヤしろとか、よそ行きの顔をしろとかいうのではない。開発の心構えというか姿勢をリードする、そのような表情を意識することが大切だと思うのである。では、開発顔とはどのような顔なのか。
 

手土産を忘れるな ◀️ Click

仕事で会社に伺うときに、手土産を持参することは多い。その際は、初対面だからよろしくと、相手が構えないような、たわいない菓子折りが定番のようだ。実は私、手土産を持っていくことはあるが、初めて訪問する会社には、意識して別の手土産も用意する。その手土産とは、情報である。
 

ニッチの法則 ◀️ Click

ニッチ(niche)とは西洋建築の用語で、壁面をうがって(掘って、開けて)作った凹み(へこみ、くぼみ)のことである。ここに、彫刻や胸像、モニュメントなどをすっぽりと収めて飾ったのだ。ここから「ニッチ市場」という言葉が隙間や適所という意味で用いられるようになったわけだが、飾るものの寸法に合わせて凹みを…
 

開発の仁義 ◀️ Click

「開発にも仁義がある」と、私は思う。仁義とは他人に対して欠かせない礼儀であり、務めである。仁義と聞くと、任侠(弱きを助け強きをくじく)映画を思い出す方も多いだろうが、この仁義は開発をする上で最も優先すべき理念であり、原理・原則なのである。開発とは、新しいことを創造するとともに、先の見えない不安でいっ…
 

他流試合◀️ Click

開発する製品をより良くしようとするのは当たり前。しかし、保有する技術やノウハウを駆使するだけでは限界もある。このとき、思い切って他業界や他分野の技術を導入して全く新しい切り口で開発を進めるのは、案外有効である。ところが、なじみのない他業界・他分野の技術やノウハウを導入しようとするときには、思いのほか…
 

お節介 ◀️ Click

開発とは、顧客のニーに対応することである。お客様は何が欲しいのか、それを知って新しいサービスや新商品を提供することである。しかし、時には、顧客も知らない、あるいは気付かないことを提案するのもよいことだ。それも、お節介(おせっかい)と言われるくらいに、こちらから一方的に提供するのである。
 

遠近両用 ◀️ Click

開発を進める中で、他社のチカラを借りたいときもある。この時、従来からご縁のあった会社にお願いするのもよいが、今まで、全くご縁の無かった、それも異業種の会社にお世話になるのもよいことだ。そして、出来ればその両方を意識してバランスよくお付き合いするのがよいと思う。言わば、近くも見えるし遠くも見える遠近両…
 

背面教師 ◀️ Click

寂しい気もするが、最近、親の会社を継ぐ息子や娘が少ないとのことである。そして、その理由を聞くともっと寂しくなるのである。なんと、夜遅くまで働き、身を粉にして働く親の背中を見るにつけ、あんなことは自分にはできないと、諦めというのか自信がないのか、とにかく自分からギブアップ、降参してしまうらしい。それが…
 

プチ・アマノジャク◀️ Click

天邪鬼(あまのじゃく)というのは昔話に出てくる悪者のことで、人に逆らい、邪魔をする困った人、あるいは、へそ曲がりやひねくれ者のことを言う。どちらかと言えば悪いイメージではあるが、開発において、私はこの天邪鬼的な要素というか資質というか、そのような役割もある程度は必要であると思っている。つまり、少し天…
 

届かぬところを掴め ◀️ Click

よく、痒い(かゆい)ところに手が届くようにと言う。細かな点まで行き届くようにした方がいいということだが、開発も同じこと。まさに、顧客の痒いところに手が届かなくてはいけないのである。しかし、あまりに細かいところまで対応するのも大変だし、そうかと言って大雑把にすると叱られる。そこのところの塩梅(あんばい…
 

立ち位置 ◀️ Click

正式には「立ち位置」という言葉はないようだが、私はよく使うのである。私の言う立ち位置とは、その人や会社の「立場」が、事業を進める時に他人や他社と位置的もしくは力学的にどうあるべきかという意味である。時には利益が絡むこともあり、特に開発においての立ち位置は、大変に重要であると思うのだ。私は、この立ち位…
 

原価不明 ◀️ Click

一体、いつ頃からコスト重視と言うようになったのだろうか。私の印象では、少なくとも今から三十年くらい前、クライアントも今のように中堅中小から大企業まで広くお付き合いができるようになったあの頃は、あまり聞かなかったことである。それが今では、何かをしようというと、まず先に「コスト優先・相見積もり」と言うの…